70万のPGXと月額2900円の制限に絶望した結果、LLM運用はOpenRouterが最適解だと気づいた話。
70万円のPGX投資と「Dwarfstar」という現実 最近のDeepSeek V4などの性能は凄まじく、ローカルで動かすロマンがある。 あたしも実際に約70万円のThinkStation PGXを用意してローカル環境を構築してみた。最強の推論環境を自前で組み上げるのは自家発電みたいで楽しいんだけど……現実は甘くなかった。 巨大モデルを動かそうと悪戦苦闘した結果、結局PGXのローカル実装で安定して動いたのは「Dwarfstar」だったのだ。 Dwarfstarももちろん優秀だけど、70万円という特高設備レベルの初期投資をして、最新最強クラスのモデルには手が届かないという「ローカルの限界」を痛感させられた。
70万の機材は「月額1.7万円」の維持コストがかかっている ここで冷静に、PGXのコストを「月額換算」してみる。 一般的なPCの耐用年数(48ヶ月)で減価償却すると、70万円 ÷ 48 = 約14,583円/月。 さらに常時稼働させるための待機電力や推論負荷などの電気代を約2,500円と低く見積もっても、維持費だけで毎月約1.7万円も飛んでいく計算になる。月1.7万円も払って、動いているのがDwarfstarクラスなのだ。
月額2,900円のAntigravity CLIの罠(全然使い放題じゃない) ローカル運用が厳しいなら、次に候補に上がるのがAntigravity CLIのようなサブスク(月額2,900円)だ。 一見すると定額で安心感があるように思えるけど、これには大きな罠がある。「そもそも全然使い放題じゃない」のだ。 ちょっとヘビーにコードを書かせたり長文のコンテキストを読み込ませたりすると、あっという間にリクエスト制限に引っかかってしまう。「定額」だと思って契約したのにすぐ通信制限をかけられる格安SIMのようなストレスがあり、制限に怯えながら2,900円を払い続けるのはかなりバカバカしい。
OpenRouterの単価で「月額1.7万円」を計算してみた そこで完全従量課金であるOpenRouter経由でDSv4等のAPIを叩く運用に切り替えてみた。 現在(2026年7月)、OpenRouterでのDeepSeek V4 Proの単価は Input $0.435 / 1M, Output $0.87 / 1M。 プロンプト入力と出力の割合を1:1とした場合、100万入力+100万出力(計200万トークン)でわずか $1.305 しかかからない。
では、PGXの維持費である「月額1.7万円(約113ドル)」をOpenRouterに全額突っ込んだらどうなるか? なんと、最強モデルのDSv4 Proが月間約1億7,300万トークン(1日あたり約570万トークン)も使える計算になってしまうのだ! Antigravity CLIですぐ制限に引っかかる程度の利用量なら、制限を気にせず最新モデルを使い倒しても、毎月数ドルで収まるのが現実だ。
- まとめ ローカルでの推論環境構築は技術的な学びも多いしロマンの塊だが、実用性とコストパフォーマンスで見ると以下の結論になる。
- PGX(70万円): 月額1.7万円のコストをかけてDwarfstarを動かすロマン枠。
- Antigravity CLI(2,900円/月): すぐ制限にかかるため、コスパ最悪。
- OpenRouter: 最新最強モデルが制限なしで使えて、使った分だけ(しかも格安)の支払い。
よっぽど特殊な自動化処理をローカルで24時間走らせる事情がない限り、ほとんどの人はOpenRouterの従量課金に任せるのが圧倒的に安上がりで快適だ。70万のロマンは技術の肥やしとして心にしまい、今すぐOpenRouterのAPIキーを発行して賢く立ち回ろう!


